音楽アニメ映画『BLUE GIANT』のレビュー・感想・おすすめな人
この記事では、アニメ映画『BLUE GIANT』(ブルージャイアント)を鑑賞した感想を書いています。
ネタバレを含んでいるので、「具体的な内容はまだ知りたくない」という場合は、あらすじまで読んで戻るボタンを。
『BLUE GIANT』を観た個人ブログの映画レビューを読んでみたい場合は、先に進んで読んでみてくださいね。
アニメ映画『BLUE GIANT』の基本情報
作品名 | 『BLUE GIANT』 |
映画監督 | 立川譲 |
脚本 | NUMBER 8 |
原作 | 『BLUE GIANT』 |
著者 | 石塚真一 |
出版社 | 小学館 |
音楽 | 上原ひろみ |
ピアノ奏者(沢辺雪祈) | 上原ひろみ |
サックス奏者(宮本大) | 馬場智章 |
ドラム奏者(玉田俊二) | 石若駿 |
撮影 | 東郷香澄 |
制作会社 | NUT |
キャラクターデザイン | 高橋裕一 |
配給 | 東宝映像事業部 |
製作国 | 日本 |
タイプ | 邦画 |
上映時間 | 120分 |
公開日(日本) | 2023/2/17 |
アニメ映画『BLUE GIANT』の登場人物・キャスト
登場人物 | 声優 |
---|---|
宮本 大(みやもと だい) | 山田裕貴 |
宮本 雅之(みやもと まさゆき) | 近藤雄介 |
宮本 彩花(みやもと あやか) | 須田美玲 |
玉田 俊二(たまだ しゅんじ) | 岡山天音 |
沢辺 雪祈(さわべ ゆきのり) | 間宮祥太朗 |
アキコ | 木下紗華 |
平(たいら) | 東地宏樹 |
天沼 幸星 (あまぬま こうせい) | 木内秀信 |
川喜多(かわきた) | 青山穣 |
五十貝 勝(いそがい まさる) | 加藤将之 |
内山(うちやま) | 四宮豪 |
望月(もちづき) | 高橋伸也 |
アニメ映画『BLUE GIANT』のあらすじ
音楽への情熱を胸に、青春をジャズに捧げる宮本大。
この仙台出身の高校生は、河原での孤独なテナーサックス演奏を日課にしていました。
彼の生活は、卒業と同時に大きな転機を迎えます。
夢を追いかけて上京し、かつての同級生・玉田俊二のアパートで新たな生活をスタートさせたのです。
東京のライブハウスで偶然出会った才能溢れるピアニスト、沢辺雪祈。
宮本大は彼をバンドに誘い、その熱意に引かれた雪祈は快諾します。
彼らに加わったのは、大の影響を受けてドラムを始めた玉田。
彼ら三人は「JASS」というバンドを結成し、日本のジャズシーンを揺るがすべく、日本最高峰のジャズクラブ「So Blue」への出演を目指します。
楽譜も読めず、ジャズの知識もない大、幼い頃からジャズに身を捧げた雪祈、そして初心者の玉田。
彼らはそれぞれの背景を乗り越え、音楽と共に成長していきます。
彼らの挑戦は、時に困難で、時に絶望的ですが、彼らの情熱は尽きることがありません。
クライマックスでは、予期せぬ展開が待ち受けているものの、彼らの絆と音楽への愛は変わることはありません。
アニメ映画『BLUE GIANT』の予告編動画
『BLUE GIANT』は、ジャズ音楽の素晴らしさだけでなく、青春の美しさ、人間の強さ、夢への挑戦という普遍的なテーマを、見事に描き出しています。
そのため、ジャズファンでなくても、誰もがこの映画に心を動かされるはずです。
映画を観終わった後、自分の中にも熱い何かが湧き上がってくることを感じるでしょう。
アニメ映画『BLUE GIANT』の感想
『BLUE GIANT』は、単なる音楽アニメ映画ではなく、熱い青春の輝きと人生の奥深さを描き出した傑作でした。
この映画は単純にジャズ音楽を楽しむだけではなく、主人公・宮本大とその仲間たちの情熱に心を打たれます。
映画は仙台の静かな街並みから始まり、大のジャズへの情熱が東京という大都市でどのように開花するのかを見せてくれます。
映画の中心人物である大は、仙台の青年からジャズの世界へと飛び込む姿が印象的です。
彼のサックスは、ただの楽器以上のものを表現し、彼の情熱と成長の軌跡を音に乗せて伝えます。
特に大が東京で出会ったピアニスト・沢辺雪祈との関係性は、映画の重要な軸の一つです。
雪祈は才能に恵まれながらも苦悩を抱えるキャラクターで、彼と大の交流を通じて、雪祈の内面的成長が見事に描かれています。
また、大の同級生でドラムを担当する玉田俊二の成長も見逃せません。
彼は最初はジャズの素人でしたが、大の情熱に触れて音楽の世界に足を踏み入れ、彼なりの音楽への理解と愛を深めていきます。
彼のドラムは、バンド「JASS」の演奏において重要な役割を果たし、彼自身の成長を象徴するものとなります。
さらに、映画は彼らを取り巻く人々、特にジャズ喫茶のママやファンたちとの関係を通じて、彼らの成長が周囲の人々にどのように影響を与えていくかを描いています。
彼らの演奏が人々の心に響き、変化をもたらす様子は、音楽の持つ力を感じさせます。
そして、この映画の核心とも言えるライブシーンの描写は、その素晴らしさにおいて特筆すべきものがあります。
原作漫画が音楽をテーマにしているため、映画化にあたってはその音楽シーンの再現が大きなチャレンジでした。
しかし、映画はこの課題を見事に克服し、漫画で想像するだけだったライブシーンを生き生きとしたアニメーションで表現しています。
実際のジャズ演奏を基にしたアニメーションは、演奏者の動き一つ一つに至るまで細かく作り込まれており、観る者を実際のライブ会場にいるかのような臨場感に引き込みます。
ライブシーンの中でも特に、主人公・宮本大がサックスを吹くシーンは圧巻です。
彼のサックスから発せられる音楽は、ただ耳に心地よいだけでなく、彼の情熱や成長の物語を語っているかのようです。
映画では、サックスの音色を通じて、大の内面の変化や成長が巧みに描かれています。
また、ピアノを担当する沢辺雪祈やドラムを担当する玉田俊二の演奏も、彼らのキャラクターを反映したものとなっています。
雪祈のピアノは繊細でありながらも力強く、彼の芸術家としての苦悩と情熱を映し出しています。
一方で、玉田のドラムは彼の成長と変化を象徴するような演奏となっており、彼が音楽を通じて自己表現の道を見つけていく様子が感じられます。
映画『BLUE GIANT』の最大の魅力は、これらのライブシーンがただ単に「音楽を演奏する」という表面的なものではなく、キャラクターたちの心情や物語の核心部分を表現している点にあります。
アニメーションと音楽が融合し、登場人物たちの心を見事に映し出しているのです。
最後に、エンドロール後のサプライズシーンは、原作ファンにとっては特別な意味を持ちます。
原作『BLUE GIANT SUPREME』への橋渡しとなるこのシーンは、物語の完結と新たな始まりを予感させ、映画の余韻を深く残します。
全体を通して、『BLUE GIANT』は音楽の力、青春の輝き、人生の喜びと苦悩を見事に描いた、感動的なアニメ映画です。
ジャズファンであればもちろん、そうでない人にも心からおすすめできる作品です。
アニメ映画『BLUE GIANT』はこんな人におすすめ
『BLUE GIANT』は、ただの音楽アニメ映画ではありません。
音楽を愛するすべての人、特にジャズに馴染みのない方にも、その魅力を存分に伝える作品です。
ジャズ愛好家はもちろん、これまでジャズを「敷居が高い」と感じていた人にも、新たな扉を開くきっかけになるでしょう。
音楽が持つ生命力や情熱を体感したい人には特におすすめです。
また、夢に向かってひた走る青春の姿を描いた本作は、何かに情熱を注ぎ込んだ経験のある人にも共感を呼びます。
主人公たちの一途な姿勢は、夢を追いかける全ての人に勇気と感動を与えるはずです。
音楽以外の分野で夢を追い求める人にも、大きな刺激を与えることでしょう。
また、アニメーションの魅力を存分に感じたい人にもおすすめします。
映像と音楽が融合した圧倒的な表現力は、アニメーションの可能性を再認識させてくれます。
視覚的にも感動的なシーンが数多くあり、アニメのファンなら絶対に見逃せない作品と言えるでしょう。
まとめると、『BLUE GIANT』は、音楽を愛する人、情熱を持って何かに打ち込んでいる人、そしてアニメーションの芸術性を楽しむすべての人に、心からおすすめしたい映画です。
【まとめ】夢を追う映画が好きならアニメ映画『BLUE GIANT』を観るのがおすすめ
『BLUE GIANT』は、夢追い人の心を揺さぶる、まさに情熱の映画です。
この映画は、ただの音楽アニメではなく、夢に向かって努力する青春の姿を描いた物語であり、情熱を持って何かを成し遂げようとするすべての人におすすめできる作品です。
ジャズへの深い愛と、それを通じて達成しようとする目標に、観る者は深く共感し、感動を覚えることでしょう。
特筆すべきは、映画の中で繰り広げられるライブシーンの迫力。
音楽のみならず、アニメーションの魅力も存分に感じられるシーンが満載で、視覚的にも感動的な体験を与えてくれます。
主人公たちがステージ上で見せる、生き生きとした演奏は、まるで実際のライブにいるかのような臨場感を演出。
ジャズの自由でダイナミックな魂を感じ取ることができます。
ジャズを愛する方はもちろん、ジャズに馴染みがない方にも新たな音楽体験をもたらし、ジャズの魅力を新たな角度から伝えます。
また、夢に向かって一途に努力する登場人物のストーリーは、何かに情熱を傾けるすべての人に刺激と勇気を与えるはずです。
アニメーションの美しさを楽しむこともできるため、アニメファンにも見逃せない作品です。
『BLUE GIANT』は、夢を追い求めるすべての人に、感動と刺激を与える映画です。
その熱いメッセージと美しい映像、心を揺さぶる音楽をぜひ体験してください。
夢を追う映画が好きなら、間違いなく『BLUE GIANT』の鑑賞はおすすめです。